海外時報
新薬参入で上がるMS薬価の終焉
強敵のPBMにどう対抗するか
2016年12月1日号
急激な価格の上昇で拡大した米国の多発性硬化症(MS)治療薬市場は、世界の製薬業界の成長を支えてきた米国市場の特異性を物語る象徴的な例だ。価格上昇は競合薬が参入する都度、既存製剤の値上げに拍車がかかるという不思議なかたちで展開されてきた。 90年代、疾患修正型の第1世代の治療薬の市場は、その後に参入した2剤が「ベータセロン」より低い価格で浸透を図った。ところが、02年発売の「レビフ」、04年の「タイサブリ」が療法改善の価値を主張して3400ドル、8900ドルと高いリスト価格で売り出すと、既存製剤が値上げを繰り返して新薬に追いつく構図に変わった。新薬の値上げ以上の上げ幅で、レビフ価格へのキャッチアップには6年近く要したものの、倍以上のタイサブリとの価格差は4年半で埋まった。この関係は10年発売の「ジレニア」まで続いた。 同じく有力ブランドが競うTNF阻害剤の9...
急激な価格の上昇で拡大した米国の多発性硬化症(MS)治療薬市場は、世界の製薬業界の成長を支えてきた米国市場の特異性を物語る象徴的な例だ。価格上昇は競合薬が参入する都度、既存製剤の値上げに拍車がかかるという不思議なかたちで展開されてきた。 90年代、疾患修正型の第1世代の治療薬の市場は、その後に参入した2剤が「ベータセロン」より低い価格で浸透を図った。ところが、02年発売の「レビフ」、04年の「タイサブリ」が療法改善の価値を主張して3400ドル、8900ドルと高いリスト価格で売り出すと、既存製剤が値上げを繰り返して新薬に追いつく構図に変わった。新薬の値上げ以上の上げ幅で、レビフ価格へのキャッチアップには6年近く要したものの、倍以上のタイサブリとの価格差は4年半で埋まった。この関係は10年発売の「ジレニア」まで続いた。 同じく有力ブランドが競うTNF阻害剤の98年
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