読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
裕福な妻が支えた科学的研究環境
第62回
鍛冶孝雄
2016年12月1日号
母方の祖父は、1970年代の初めに比較的若く自宅で亡くなったが、主治医の死亡診断は「老衰による心不全」とされていた。70歳代だったとはいえ、老衰という死亡診断に少し違和感があったのを覚えている。読書子の私は中学生だったが、70歳を超えると老衰と言うのかと思い込んだりしたものだ。祖父は、60歳代から認知症の症状を呈していて、10年近くに及ぶ家族の負担は軽くはなかった。
開業医の主治医は、高齢による痴呆、ボケだとし、脳軟化症の一種などと家族に説明していた。認知症あるいはアルツハイマー病(AD)という概念が、当時の一般的な町医者の人たちにはなかったことがわかる。現在になってみれば、記憶に残る祖父の症状は疑いなくADだった。
母方の祖父は、1970年代の初めに比較的若く自宅で亡くなったが、主治医の死亡診断は「老衰による心不全」とされていた。70歳代だったとはいえ、老衰という死亡診断に少し違和感があったのを覚えている。読書子の私は中学生だったが、70歳を超えると老衰と言うのかと思い込んだりしたものだ。祖父は、60歳代から認知症の症状を呈していて、10年近くに及ぶ家族の負担は軽くはなかった。
開業医の主治医は、高齢による痴呆、ボケだとし、脳軟化症の一種などと家族に説明していた。認知症あるいはアルツハイマー病(AD)という概念が、当時の一般的な町医者の人たちにはなかったことがわかる。現在になってみれば、記憶に残る祖父の症状は疑いなくADだった。
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