医薬経済オンライン

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「ワクチン新時代」が躓いたわけ

厚労省の「産業ビジョン」が転機に

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2016年11月15日号

 激しい発作に記憶障害、歩行困難などの重い症状との関連が取りざたされている子宮頸がんワクチンの経緯を調べていると、どうもこれまでのワクチンとは異質なものを感じる。  インフルエンザや麻疹、風疹などに対する従来のワクチンは、感染したら一定の潜伏期間を経て高熱などの症状が現れる。だが、子宮頸がんの原因となるパピローマウイルス(HPV)に感染して、将来的に子宮頸がんになる可能性が大きいとしても、とくに症状は現れない。  次にインフルエンザなどの感染症は、発症すると対処療法以外に特効薬はなく、治療法もない。これに対して子宮頸がんは手術や化学療法など、完全とは言えないまでも治療法がある。  そして最も重要な違いは、子宮頸がんワクチンを取り巻く環境の違いだ。感染症やウイルスの専門医ではなく、推奨するのはがんの専門医や政治家だ。いわばワクチンのリスクに...  激しい発作に記憶障害、歩行困難などの重い症状との関連が取りざたされている子宮頸がんワクチンの経緯を調べていると、どうもこれまでのワクチンとは異質なものを感じる。  インフルエンザや麻疹、風疹などに対する従来のワクチンは、感染したら一定の潜伏期間を経て高熱などの症状が現れる。だが、子宮頸がんの原因となるパピローマウイルス(HPV)に感染して、将来的に子宮頸がんになる可能性が大きいとしても、とくに症状は現れない。  次にインフルエンザなどの感染症は、発症すると対処療法以外に特効薬はなく、治療法もない。これに対して子宮頸がんは手術や化学療法など、完全とは言えないまでも治療法がある。  そして最も重要な違いは、子宮頸がんワクチンを取り巻く環境の違いだ。感染症やウイルスの専門医ではなく、推奨するのはがんの専門医や政治家だ。いわばワクチンのリスクについ

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