医薬経済オンライン

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注目新薬と市場展望

オプジーボへの「疑問」と混沌とする競争

第4回

UBS証券株式会社 調査本部アナリスト 関 篤史

2016年11月15日号

 デンマークのコペンハーゲンで開催された10月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)。会場は例年以上に熱気を帯びていた。注目はがん免疫療法剤の戦場でブリストル・マイヤーズスクイブ/小野薬品の先行メリットが消えつつあることだ。8月5日、BMSが抗PD1抗体「オプジーボ」の非小細胞肺がんの1次治療を探った「CheckMate-026」試験の失敗を公表したが、ESMOでは、失敗の理由に対する解答というよりは、新たな疑問を提示することになってしまった。 蓋を開けてみるとこの試験では、無増悪生存期間(PFS)のハザード比は1.15(化学療法群に比べて15%リスク増大)、全生存期間(OS)のそれは1.02だった。オプジーボは化学療法群と同程度しか効いてなかったことになる。 理由としては、ベースラインの患者背景が異なっていた点が挙げられる。化学療法群では予後が比較的よい患者が多く登録され...  デンマークのコペンハーゲンで開催された10月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)。会場は例年以上に熱気を帯びていた。注目はがん免疫療法剤の戦場でブリストル・マイヤーズスクイブ/小野薬品の先行メリットが消えつつあることだ。8月5日、BMSが抗PD1抗体「オプジーボ」の非小細胞肺がんの1次治療を探った「CheckMate-026」試験の失敗を公表したが、ESMOでは、失敗の理由に対する解答というよりは、新たな疑問を提示することになってしまった。 蓋を開けてみるとこの試験では、無増悪生存期間(PFS)のハザード比は1.15(化学療法群に比べて15%リスク増大)、全生存期間(OS)のそれは1.02だった。オプジーボは化学療法群と同程度しか効いてなかったことになる。 理由としては、ベースラインの患者背景が異なっていた点が挙げられる。化学療法群では予後が比較的よい患者が多く登録された

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