医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

技術革新と製薬企業の明日

腫瘍溶解ウイルスへの期待

第74回 開発競争で健闘する日本企業

生島准

2016年11月15日号

 デンマークのコペンハーゲンで10月に開催された欧州がん治療学会で、拍手が鳴り止まないセッションがあった。メルクの抗PD1抗体「ペンブロリズマブ」の非小細胞肺がん患者(バイオマーカPD─L1、50%以上陽性)を対象とした1次治療の第Ⅲ相試験(KEYNOTE—024)の成績発表である。30年間肺がん治療薬として不動の地位を占めていた白金製剤併用(プラチナダブレット)をペンブロリズマブが初めて上回った。無増悪期間のみならず、全生存期間でもだ。白金製剤の副作用に手を焼いていた世界のがん専門医が称賛したのは当然である。  だが、免疫チェックポイント阻害剤にも大きなアキレス腱がある。がん種にもよるが、奏効率が単剤では20%から30%にとどまることだ。同剤の併用で奏効率を50%前後に向上できるが、自己免疫疾患など重篤な副作用が生じてしまう。  ...  デンマークのコペンハーゲンで10月に開催された欧州がん治療学会で、拍手が鳴り止まないセッションがあった。メルクの抗PD1抗体「ペンブロリズマブ」の非小細胞肺がん患者(バイオマーカPD─L1、50%以上陽性)を対象とした1次治療の第Ⅲ相試験(KEYNOTE—024)の成績発表である。30年間肺がん治療薬として不動の地位を占めていた白金製剤併用(プラチナダブレット)をペンブロリズマブが初めて上回った。無増悪期間のみならず、全生存期間でもだ。白金製剤の副作用に手を焼いていた世界のがん専門医が称賛したのは当然である。  だが、免疫チェックポイント阻害剤にも大きなアキレス腱がある。がん種にもよるが、奏効率が単剤では20%から30%にとどまることだ。同剤の併用で奏効率を50%前後に向上できるが、自己免疫疾患など重篤な副作用が生じてしまう。  こ

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence