医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

医療保険制度の「不健康」な歴史

第18回

東京財団研究員兼政策プロデューサー 三原 岳

2016年11月1日号

 徳川家康は今で言う「健康オタク」だったらしい。薬の調合を自ら行ったほか、食べ物にも気を配った逸話が残っている。8代将軍の徳川吉宗も人一倍、体に気を付けていたという。ただ、健康づくりは純粋に個人の問題であり、貧しい人を対象とした「小石川診療所」などを除けば、幕府が健康づくりに乗り出すことはなかった。  国家が個人の健康に関わるのは近代以降のことだ。「健康」を切り口とした最終回は日本の近代史を振り返り、旧厚生省や社会保険が戦争の副産物として生まれた点を取り上げることで、国策遂行のために国家が個人の健康に過度に介入する危険性を考察したい。  徳川家康は今で言う「健康オタク」だったらしい。薬の調合を自ら行ったほか、食べ物にも気を配った逸話が残っている。8代将軍の徳川吉宗も人一倍、体に気を付けていたという。ただ、健康づくりは純粋に個人の問題であり、貧しい人を対象とした「小石川診療所」などを除けば、幕府が健康づくりに乗り出すことはなかった。  国家が個人の健康に関わるのは近代以降のことだ。「健康」を切り口とした最終回は日本の近代史を振り返り、旧厚生省や社会保険が戦争の副産物として生まれた点を取り上げることで、国策遂行のために国家が個人の健康に過度に介入する危険性を考察したい。

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