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From Local to Global 私と公衆衛生

新・公衆衛生の課題—(2)麻疹アウトブレイクと社会防衛

第97回

日本尊厳死協会理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2016年11月1日号

 私が子どもの頃、麻疹は誰でもかかる普通の病気で、学齢期前に自然にうつされ、発症しても軽く済んだ。だが、私が罹患したのは小学校3年生の3学期(1956年)、大人になるほど重症化する。私は発疹後も高熱が引かず、脳炎様症状を呈して授業を20日間以上も欠席した。学年末に行われる学芸会の主役に抜擢されたが、代役を立てざるを得ず、クラス替え後の4年生の始業式にも出られなかった。  現代でも麻疹は対症療法が中心で特異的治療法はない。麻疹にはさまざまな合併症(肺炎、脳炎)が見られ、全体では30%にも達する。罹患して7〜10年後に発症する中枢神経系疾患、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)などの重大合併症も報告されている。従って、予防が重要だ。麻疹ワクチンの定期接種開始は78年だ。今号は、麻疹アウトブレイクを題材に社会防衛の重要性を考える。  今年8月中旬に関西空港で発生した...  私が子どもの頃、麻疹は誰でもかかる普通の病気で、学齢期前に自然にうつされ、発症しても軽く済んだ。だが、私が罹患したのは小学校3年生の3学期(1956年)、大人になるほど重症化する。私は発疹後も高熱が引かず、脳炎様症状を呈して授業を20日間以上も欠席した。学年末に行われる学芸会の主役に抜擢されたが、代役を立てざるを得ず、クラス替え後の4年生の始業式にも出られなかった。  現代でも麻疹は対症療法が中心で特異的治療法はない。麻疹にはさまざまな合併症(肺炎、脳炎)が見られ、全体では30%にも達する。罹患して7〜10年後に発症する中枢神経系疾患、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)などの重大合併症も報告されている。従って、予防が重要だ。麻疹ワクチンの定期接種開始は78年だ。今号は、麻疹アウトブレイクを題材に社会防衛の重要性を考える。  今年8月中旬に関西空港で発生した麻疹

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