話題の焦点
「大事の前の『大あくび』」
2016年10月15日号
人は1日に平均7〜8回あくびをする。その発生時間帯としては昼夜の境目がとくに多い。 あくびは、面白いことに口とほかのいくつかの部位と連動して起きることが多い。まぶたを閉じる、手足を大きく伸ばす、涙を流すなど。とくに意外なのに勃起なんてことがあるが、体の仕組みとはなかなか複雑なものだ。 研究者は〝あくびの生物学意義〟として、「覚醒」と「警鐘」をあげており、ラット使用の実験で、視床下部にある至傍核なる部分が、あくびの中枢であることを突きとめた。 本来、あくびは不随的に起こるものだが、故意に起こす場合もある。将棋の升田幸三名人は、かつて大事な手を打つ前に大あくびをすることで有名だった。また、高浜虚子も一句詠む前によくあくびをしたという。 同意として、猛獣は獲物に飛びかかる前によくあくびをするという。 ただ、あくびの伝染となると猛獣にはなく、霊長...
人は1日に平均7〜8回あくびをする。その発生時間帯としては昼夜の境目がとくに多い。 あくびは、面白いことに口とほかのいくつかの部位と連動して起きることが多い。まぶたを閉じる、手足を大きく伸ばす、涙を流すなど。とくに意外なのに勃起なんてことがあるが、体の仕組みとはなかなか複雑なものだ。 研究者は〝あくびの生物学意義〟として、「覚醒」と「警鐘」をあげており、ラット使用の実験で、視床下部にある至傍核なる部分が、あくびの中枢であることを突きとめた。 本来、あくびは不随的に起こるものだが、故意に起こす場合もある。将棋の升田幸三名人は、かつて大事な手を打つ前に大あくびをすることで有名だった。また、高浜虚子も一句詠む前によくあくびをしたという。 同意として、猛獣は獲物に飛びかかる前によくあくびをするという。 ただ、あくびの伝染となると猛獣にはなく、霊長類
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