化学構造式から薬剤師が考えるクスリ
化学名と製品名
医化学創薬代表取締役 伊藤勝彦
2016年10月15日号
化学名は、薬効を持つ活性成分に対しての呼称です。化合物の化学構造式をもとに体系化されたIUPAC(アイユーパック)命名法によってつけられるもので、活性成分の薬理学的特徴を表すことはありません。
ただし、IUPAC命名法による基本骨格名が薬剤の分類に使われています。今回はこれについて、紹介したいと思います。
好例が「ジアゼパム」です。ジアゼパムは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬に分類されます。このジアゼパムのIUPAC命名法による化学名は、7-chloro-1,3dihydro-1-methyl-5-phenyl-2H-1,4-benzodiazepin-2-oneです。「Benzo」(ベンゾ)はベンゼン環を、「di」(ジ)は2つを、「aze」(アゼあるいはアザ)は窒素原子を、「pin」(ピン)は不飽和の7員環を示しています。
つまり、「benzodiazepin」(ベンゾジアゼピン)はベンゼン環に、窒素原子が2つ含まれた不飽和...
化学名は、薬効を持つ活性成分に対しての呼称です。化合物の化学構造式をもとに体系化されたIUPAC(アイユーパック)命名法によってつけられるもので、活性成分の薬理学的特徴を表すことはありません。
ただし、IUPAC命名法による基本骨格名が薬剤の分類に使われています。今回はこれについて、紹介したいと思います。
好例が「ジアゼパム」です。ジアゼパムは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬に分類されます。このジアゼパムのIUPAC命名法による化学名は、7-chloro-1,3dihydro-1-methyl-5-phenyl-2H-1,4-benzodiazepin-2-oneです。「Benzo」(ベンゾ)はベンゼン環を、「di」(ジ)は2つを、「aze」(アゼあるいはアザ)は窒素原子を、「pin」(ピン)は不飽和の7員環を示しています。
つまり、「benzodiazepin」(ベンゾジアゼピン)はベンゼン環に、窒素原子が2つ含まれた不飽和結
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