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薬剤経済学

所得格差拡大が医療の利用にも影(後)

2016年10月15日号

 サミュエル・ディックマン(ハーバード大学医学校)らの「低・中・高所得米国人の医療費支出:1963〜2012年」は、2004年以降オバマケア実施前、米国の1人当たり医療費は富裕層だけ増加を続け、貧困層は減少、中間層は横ばい・微増と対照的な動きが認められ、格差社会が進むなか、必要に応じて用いられる医療の特性が、所得に左右される格好で変わり始めたと報告した(ヘルス・アフェアーズ2016年7月)。 2004年で分けた2期間の、所得階級別1人当たり医療費の増減を概括したのが表。最大の増加額だった貧困層が減少に転じ、最小だった富裕層は42年間の倍近い増加を8年で記録した。中間層の増加額より77%も多い。2004年以降、貧困層の減少は入院に集中、薬剤費に影響がなかったのが際立つ。一方、富裕層の外来医療は、ほかより利用が40%多かった。 観察であり、分化の原因解明はない。しかし90年代に...  サミュエル・ディックマン(ハーバード大学医学校)らの「低・中・高所得米国人の医療費支出:1963〜2012年」は、2004年以降オバマケア実施前、米国の1人当たり医療費は富裕層だけ増加を続け、貧困層は減少、中間層は横ばい・微増と対照的な動きが認められ、格差社会が進むなか、必要に応じて用いられる医療の特性が、所得に左右される格好で変わり始めたと報告した(ヘルス・アフェアーズ2016年7月)。 2004年で分けた2期間の、所得階級別1人当たり医療費の増減を概括したのが表。最大の増加額だった貧困層が減少に転じ、最小だった富裕層は42年間の倍近い増加を8年で記録した。中間層の増加額より77%も多い。2004年以降、貧困層の減少は入院に集中、薬剤費に影響がなかったのが際立つ。一方、富裕層の外来医療は、ほかより利用が40%多かった。 観察であり、分化の原因解明はない。しかし90年代に費

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