鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜
薬の健全な使用のためにも広告タブーを打ち破ろう
第24回
鳥集徹
2016年10月15日号
「マスコミの人も、『とと姉ちゃん』を見習ってほしいよ」 最近、EBMに詳しいある医師を取材したら、こんなことを言われた。筆者にはTVドラマを見る習慣はないが、とと姉ちゃんが『暮らしの手帳』をモチーフにしたNHKの朝ドラであることぐらいは知っている。 その医師が言いたかったのは、マスコミも「広告タブー」を打ち破って、暮らしの手帳の「商品テスト」くらい厳正な薬の批評をするべきだということだ。 そもそも、ジャーナリズムに広告タブーなどあってはならないはずなのだ。筆者は同志社大学文学部にあった新聞学専攻で学んだのだが、そこで最初に教えられたひとつは、「報道機関の広告部門と編集部門は独立しているべきで、スポンサーが記事に口出しすることを許してはならない」ということだった。そうしなければ、言論の自由は守れない。 しかし、マスコミの一端で働くようにな...
「マスコミの人も、『とと姉ちゃん』を見習ってほしいよ」 最近、EBMに詳しいある医師を取材したら、こんなことを言われた。筆者にはTVドラマを見る習慣はないが、とと姉ちゃんが『暮らしの手帳』をモチーフにしたNHKの朝ドラであることぐらいは知っている。 その医師が言いたかったのは、マスコミも「広告タブー」を打ち破って、暮らしの手帳の「商品テスト」くらい厳正な薬の批評をするべきだということだ。 そもそも、ジャーナリズムに広告タブーなどあってはならないはずなのだ。筆者は同志社大学文学部にあった新聞学専攻で学んだのだが、そこで最初に教えられたひとつは、「報道機関の広告部門と編集部門は独立しているべきで、スポンサーが記事に口出しすることを許してはならない」ということだった。そうしなければ、言論の自由は守れない。 しかし、マスコミの一端で働くようになり、
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