読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
現状はさらに厚くなっている『バカの壁』
第58回
鍛冶孝雄
2016年10月1日号
今回読んだ本は、養老孟司氏の『バカの壁』(新潮新書)である。読後、たいそう後悔した。この新書が発行されたのは03年4月。周知のとおり、同書は大ベストセラーとなった。私が手にしたのは今年3月の115刷。累計発行部数は436万部である。ただただ驚くしかない。現在でも確実に読者は増えているのだ。もうしばらくはロングセラー状態が続きそうだ。
まず、読書子の私が同書の刊行時に読まなかった理由を明かしておきたい。今さらながら、この本を取り上げた意味がわかってもらえないと考えるからだ。
当時、私はかなり強いイメージを持って、いわゆる『バカの壁』ブームに接していた。思い込みの最も大きい部分は、「どうせ東大風を吹かす正論ばかりを書いた本」だろうと高をくくったことだ。率直には極端かもしれないが、、60年代からシリーズ化された大ベストセラ...
今回読んだ本は、養老孟司氏の『バカの壁』(新潮新書)である。読後、たいそう後悔した。この新書が発行されたのは03年4月。周知のとおり、同書は大ベストセラーとなった。私が手にしたのは今年3月の115刷。累計発行部数は436万部である。ただただ驚くしかない。現在でも確実に読者は増えているのだ。もうしばらくはロングセラー状態が続きそうだ。
まず、読書子の私が同書の刊行時に読まなかった理由を明かしておきたい。今さらながら、この本を取り上げた意味がわかってもらえないと考えるからだ。
当時、私はかなり強いイメージを持って、いわゆる『バカの壁』ブームに接していた。思い込みの最も大きい部分は、「どうせ東大風を吹かす正論ばかりを書いた本」だろうと高をくくったことだ。率直には極端かもしれないが、、60年代からシリーズ化された大ベストセラー『
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