医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

化学構造式から薬剤師が考えるクスリ

一般名から読み解く

医化学創薬代表取締役 伊藤勝彦

2016年9月15日号

 一般名には、薬剤の物理化学的な特徴を表す文字を含むことがあります。今回は、そのことについて少し触れたいと思います。  3次元の物体や図形が、その鏡像と重ね合わすことができない性質のことを「キラリティー(chirality)」と言い、その物体に対して「キラル(chiral)」があると表現します。  炭素原子に結合する4つの置換基がすべて異なる場合にこの炭素をとくに不斉炭素と呼びます。実は、不斉炭素を持つ分子は、キラルである場合が多いのです。キラルな分子は光学活性を持ち、偏光面を回転させます。  光学活性体は、クスリの化学構造を述べるときに重要な項目となりますので、改めて、章を設けて紹介します。今回は大枠だけ説明します。  光学活性体には、いくつかの命名方法が存在しています。そのひとつに「dl表記」というものがあります。「d」は右旋性を示す「dextro-rotatory」...  一般名には、薬剤の物理化学的な特徴を表す文字を含むことがあります。今回は、そのことについて少し触れたいと思います。  3次元の物体や図形が、その鏡像と重ね合わすことができない性質のことを「キラリティー(chirality)」と言い、その物体に対して「キラル(chiral)」があると表現します。  炭素原子に結合する4つの置換基がすべて異なる場合にこの炭素をとくに不斉炭素と呼びます。実は、不斉炭素を持つ分子は、キラルである場合が多いのです。キラルな分子は光学活性を持ち、偏光面を回転させます。  光学活性体は、クスリの化学構造を述べるときに重要な項目となりますので、改めて、章を設けて紹介します。今回は大枠だけ説明します。  光学活性体には、いくつかの命名方法が存在しています。そのひとつに「dl表記」というものがあります。「d」は右旋性を示す「dextro-rotatory」、

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence