技術革新と製薬企業の明日
世界が期待する「LAMP法」
第72回 苦難を乗り越えた栄研化学
生島准
2016年9月15日号
WHOが使用勧奨したガイダンス 8月16日、東京の下町にある栄研化学で歓声が沸いた。世界保健機関(WHO)が、同社の結核菌遺伝子検査「TB─LAMP」を新規結核診断法のポリシーガイダンスに掲載したのだ。これはWHOが結核蔓延国での患者スクリーニングにTB─LAMPの使用を勧奨したことを意味する。日本の独創技術であるLAMP法が、途上国の感染症対策の切り札として普及する。その扉が開いたのだ。 しかし、この甘美な成功の陰には、12年以上にもわたる企業の孤独な苦闘があった。TB─LAMPから次の成長市場であるアジア、アフリカに挑む企業に共通する弱点が見てとれる。 遺伝子検査は感染症の診断から、がん標的薬のコンパニオン診断薬まで幅広い用途に拡大、市場が成長している。また、ゲノム医療が進むほど、新薬開発の成功を左右する鍵を握ることは必定である。 今までの遺伝...
WHOが使用勧奨したガイダンス 8月16日、東京の下町にある栄研化学で歓声が沸いた。世界保健機関(WHO)が、同社の結核菌遺伝子検査「TB─LAMP」を新規結核診断法のポリシーガイダンスに掲載したのだ。これはWHOが結核蔓延国での患者スクリーニングにTB─LAMPの使用を勧奨したことを意味する。日本の独創技術であるLAMP法が、途上国の感染症対策の切り札として普及する。その扉が開いたのだ。 しかし、この甘美な成功の陰には、12年以上にもわたる企業の孤独な苦闘があった。TB─LAMPから次の成長市場であるアジア、アフリカに挑む企業に共通する弱点が見てとれる。 遺伝子検査は感染症の診断から、がん標的薬のコンパニオン診断薬まで幅広い用途に拡大、市場が成長している。また、ゲノム医療が進むほど、新薬開発の成功を左右する鍵を握ることは必定である。 今までの遺伝子
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