医薬経済オンライン

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Dear Tomorrow 新しいヘルスケアマーケティング

服薬の現場を想定する開発を

〜「剤形」は戦略的なイノベーション①〜

株式会社アンテリオ理事 堀玲子

2016年9月15日号

 薬剤の「剤形」の調査に関しては、筆者が医薬品のマーケティングリサーチに関わってきた20年前より、製薬企業の製品マーケティング戦略の一環となっていた。製品のライフサイクルマネジメントからの観点も大事なのだが、適応症の拡大とともに剤形変更が、その製品のブランド価値を維持する重要な要素になっていたからだ。 筆者の感覚では、最近やや関心が薄くなっているかもしれないが、剤形戦略は現在も大事である。一方、企業側と患者さんの認識のギャップもままある。そこで今回から、剤形の調査から何がわかったか、実態を交えて紹介したい。 剤形調査は主には処方する医師、服用する患者さんの両面より実施する。また、昨今は自己注射の薬剤も増えて来たので、その指導を担う看護師や在宅での介護者なども対象になる。 疾患別では、統合失調症やアルツハイマー型認知症など患者自身に病識が薄...  薬剤の「剤形」の調査に関しては、筆者が医薬品のマーケティングリサーチに関わってきた20年前より、製薬企業の製品マーケティング戦略の一環となっていた。製品のライフサイクルマネジメントからの観点も大事なのだが、適応症の拡大とともに剤形変更が、その製品のブランド価値を維持する重要な要素になっていたからだ。 筆者の感覚では、最近やや関心が薄くなっているかもしれないが、剤形戦略は現在も大事である。一方、企業側と患者さんの認識のギャップもままある。そこで今回から、剤形の調査から何がわかったか、実態を交えて紹介したい。 剤形調査は主には処方する医師、服用する患者さんの両面より実施する。また、昨今は自己注射の薬剤も増えて来たので、その指導を担う看護師や在宅での介護者なども対象になる。 疾患別では、統合失調症やアルツハイマー型認知症など患者自身に病識が薄い場

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