読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
健康観のパラダイムシフトの実相とは
第57回
鍛冶孝雄
2016年9月15日号
故郷に住む2人の友人から相談を受ける。少し前までの彼らの関心は、都会に出たままの私の帰郷を期待するものだったが、最近は健康に関するものがほとんどになった。狭心症と診断された、飛蚊症になった、血圧が高い、何かいい治療法を知らないか、サプリメントの選び方は……などといった類だ。私が、医療関連の取材などを仕事にしていることから、彼らは私が医師と同等の知識があると勘違いをしているのである。
この友人たちは、郷里でも割に高収入の仕事を続け、最近リタイアしたばかり。とりあえず経済的に困ることはなさそうだし、目下のところ、健康に心が向いている。飛蚊症になった友人は、今にも失明してしまうような電話をかけてきた。こうした状況は、高齢者のグループに入り始めた人々に共通するものなのだろう。
うんざりするほどのサプリメント絡みのテレ...
故郷に住む2人の友人から相談を受ける。少し前までの彼らの関心は、都会に出たままの私の帰郷を期待するものだったが、最近は健康に関するものがほとんどになった。狭心症と診断された、飛蚊症になった、血圧が高い、何かいい治療法を知らないか、サプリメントの選び方は……などといった類だ。私が、医療関連の取材などを仕事にしていることから、彼らは私が医師と同等の知識があると勘違いをしているのである。
この友人たちは、郷里でも割に高収入の仕事を続け、最近リタイアしたばかり。とりあえず経済的に困ることはなさそうだし、目下のところ、健康に心が向いている。飛蚊症になった友人は、今にも失明してしまうような電話をかけてきた。こうした状況は、高齢者のグループに入り始めた人々に共通するものなのだろう。
うんざりするほどのサプリメント絡みのテレビ
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