審査建言
開発・審査段階から必要なHTA対策
医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩
2016年9月15日号
厚生労働省が約20年前から温めていた医療技術評価(HTA)がいよいよ今年春から試行的に導入された。HTAについては、逸早く導入された英国において、承認されたにもかかわらず、NICE(英国立技術評価機構)の壁に阻まれて、医療保険で使えないという問題が続発し、裁判にもなった。だから日本の医薬品業界は、何としてもHTAを阻止しなければという気持ちが強かったようである。しかし、医療財源が枯渇しつつあるなかで、とにかく試行的にでも導入やむなしというところで合意に達した。
オーストラリアや英国が先行し、欧州各国やアジアなどで医薬品の有効性・安全性という審査段階における評価に加えて、医療保険の場に提供するかどうかはHTAという新たな関門を設けることがグローバルスタンダードになりつつあると言える。いずれの場合も、医薬品の審査を行う組織と、HTAの評価...
厚生労働省が約20年前から温めていた医療技術評価(HTA)がいよいよ今年春から試行的に導入された。HTAについては、逸早く導入された英国において、承認されたにもかかわらず、NICE(英国立技術評価機構)の壁に阻まれて、医療保険で使えないという問題が続発し、裁判にもなった。だから日本の医薬品業界は、何としてもHTAを阻止しなければという気持ちが強かったようである。しかし、医療財源が枯渇しつつあるなかで、とにかく試行的にでも導入やむなしというところで合意に達した。
オーストラリアや英国が先行し、欧州各国やアジアなどで医薬品の有効性・安全性という審査段階における評価に加えて、医療保険の場に提供するかどうかはHTAという新たな関門を設けることがグローバルスタンダードになりつつあると言える。いずれの場合も、医薬品の審査を行う組織と、HTAの評価を行
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