医薬経済オンライン

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VART論文撤回の「裏側」

修正のタイミングを逃した東大・小室教授

2016年9月1日号

 降圧剤「ディオバン」(一般名=バルサルタン)を使った大規模臨床試験「VART」の主論文撤回が8月14日、日本高血圧学会の理事会で決まった。不正の疑義が生じてから実に3年もの歳月が経っており、もはや撤回はないと思われていたが、7月になり事態が急変。研究責任者である東京大学大学院の小室一成教授(循環器内科学)から論文取り下げの申し出があった。いったい何があったのか。  VART論文は、ノバルティスファーマの元社員、白橋伸雄被告(薬事法違反)が関与したディオバン事件で問題となった論文のひとつ。高血圧患者1021人を、ディオバン群と別の降圧剤「アムロジピン」(一般名)を投与した群に分け、主に心血管系イベントの発症数を比較した。主要評価項目の複合イベント(全死亡、脳血管イベントなど)は両群で有意差がなかったが、副次評価項目の左心室肥大の抑制や腎機能保護な...  降圧剤「ディオバン」(一般名=バルサルタン)を使った大規模臨床試験「VART」の主論文撤回が8月14日、日本高血圧学会の理事会で決まった。不正の疑義が生じてから実に3年もの歳月が経っており、もはや撤回はないと思われていたが、7月になり事態が急変。研究責任者である東京大学大学院の小室一成教授(循環器内科学)から論文取り下げの申し出があった。いったい何があったのか。  VART論文は、ノバルティスファーマの元社員、白橋伸雄被告(薬事法違反)が関与したディオバン事件で問題となった論文のひとつ。高血圧患者1021人を、ディオバン群と別の降圧剤「アムロジピン」(一般名)を投与した群に分け、主に心血管系イベントの発症数を比較した。主要評価項目の複合イベント(全死亡、脳血管イベントなど)は両群で有意差がなかったが、副次評価項目の左心室肥大の抑制や腎機能保護など4

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