医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

健康づくり政策と健康の「定義」を再考する

第16回

東京財団研究員兼政策プロデューサー 三原 岳

2016年9月1日号

 今、世間は健康ブームである。テレビや新聞、インターネットには健康増進の方法や健康食品の情報があふれている。 しかし、客観的に見て、日本人の健康は世界最高レベルである。それにもかかわらず、なぜ健康の重要性が指摘されているのだろうか。「健康」「不健康」の線はどこで引かれるのだろうか。健康に対する関心が強まるなか、その言葉の意味と健康づくり政策のあり方を再考するのは決して無駄なこととは言えないだろう。今回から3回にわたって、健康づくり政策のあり方を取り上げる。「健康」の定義「ゆたかな詩であり、生活記録であり、たのしい造形であり、色階和音であり、ユウモアであり、微妙な哀憐の情けの訴でもある。彼女は実に健康に生きてゐる」 これは詩人で彫刻家の高村光太郎が妻・智恵子のために書いた詩集『智恵子抄』の一節である。精神の病で言葉さえ発せなくなった智恵子は...  今、世間は健康ブームである。テレビや新聞、インターネットには健康増進の方法や健康食品の情報があふれている。 しかし、客観的に見て、日本人の健康は世界最高レベルである。それにもかかわらず、なぜ健康の重要性が指摘されているのだろうか。「健康」「不健康」の線はどこで引かれるのだろうか。健康に対する関心が強まるなか、その言葉の意味と健康づくり政策のあり方を再考するのは決して無駄なこととは言えないだろう。今回から3回にわたって、健康づくり政策のあり方を取り上げる。「健康」の定義「ゆたかな詩であり、生活記録であり、たのしい造形であり、色階和音であり、ユウモアであり、微妙な哀憐の情けの訴でもある。彼女は実に健康に生きてゐる」 これは詩人で彫刻家の高村光太郎が妻・智恵子のために書いた詩集『智恵子抄』の一節である。精神の病で言葉さえ発せなくなった智恵子は精

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