医薬経済オンライン

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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

群大病院事件の教訓 新たな犠牲者を生まないために

第21回

鳥集徹

2016年9月1日号

 医療事故が起こったら、大抵の場合、医師は「加害者」とされた仲間に同情して、かばい合うものだ。患者側が裁判を起こしたり、マスコミが批判したりしようものなら、医師らはネットなどで猛反撃を仕掛けてくる。 ところが今回の「事件」に関しては、当事者の執刀医をかばう声はまったく聞かなかった。それどころか、筆者が取材した外科医たちは、口を揃えて執刀医や教授、病院を厳しく批判した。それだけ、この事件は外科医たちにとっても、極めて異様な出来事だったということだろう。「事件」とは、同一医師が執刀した肝胆膵手術で、少なくとも18人が死亡していた群馬大学医学部附属病院(以下、群大病院)の問題のことだ。この7月30日に、医療事故調査委員会が、最終報告書を大学側に提出した。 死亡事例が相次いでいたのに、第二外科の教授が執刀医にストップをかけなかったこと、死亡事例があっ...  医療事故が起こったら、大抵の場合、医師は「加害者」とされた仲間に同情して、かばい合うものだ。患者側が裁判を起こしたり、マスコミが批判したりしようものなら、医師らはネットなどで猛反撃を仕掛けてくる。 ところが今回の「事件」に関しては、当事者の執刀医をかばう声はまったく聞かなかった。それどころか、筆者が取材した外科医たちは、口を揃えて執刀医や教授、病院を厳しく批判した。それだけ、この事件は外科医たちにとっても、極めて異様な出来事だったということだろう。「事件」とは、同一医師が執刀した肝胆膵手術で、少なくとも18人が死亡していた群馬大学医学部附属病院(以下、群大病院)の問題のことだ。この7月30日に、医療事故調査委員会が、最終報告書を大学側に提出した。 死亡事例が相次いでいたのに、第二外科の教授が執刀医にストップをかけなかったこと、死亡事例があった

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