執刀医師よりも問題なのは誰だ
群大病院の事故調が突きつけるもの
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2016年8月15日号
本文74頁に及ぶ報告書を読み解いていくと、本当に問題だったのは、別の人物なのではないか。そんな疑問が浮かんでくる。
腹腔鏡下肝切除術(8例)と開腹手術(10例)を合わせて18例の術後死が明らかになった群馬大学医学部附属病院の第三者による事故調査委員会の報告書が7月27日に公表された。
ヒアリングや電話会議など35回、延べ210時間を費やした審議の結果、まとめられた問題点は多岐にわたる。手術件数が多い割に診療記録の内容が薄く、死亡例も報告されずに放置され、その結果として相次ぐ術後死を食い止められなかった。
その中心は、あくまで手術を行ったA医師(報告書の呼称に準じる)だ。だが、報告書に随所に出てくるもうひとりの人物がいる。
A医師の所属する第2外科(当時)の教授に07年に就任した医局の指導者である。
18死亡例の手術の電子カルテには、全例でこのP教授...
本文74頁に及ぶ報告書を読み解いていくと、本当に問題だったのは、別の人物なのではないか。そんな疑問が浮かんでくる。
腹腔鏡下肝切除術(8例)と開腹手術(10例)を合わせて18例の術後死が明らかになった群馬大学医学部附属病院の第三者による事故調査委員会の報告書が7月27日に公表された。
ヒアリングや電話会議など35回、延べ210時間を費やした審議の結果、まとめられた問題点は多岐にわたる。手術件数が多い割に診療記録の内容が薄く、死亡例も報告されずに放置され、その結果として相次ぐ術後死を食い止められなかった。
その中心は、あくまで手術を行ったA医師(報告書の呼称に準じる)だ。だが、報告書に随所に出てくるもうひとりの人物がいる。
A医師の所属する第2外科(当時)の教授に07年に就任した医局の指導者である。
18死亡例の手術の電子カルテには、全例でこのP教授の名
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