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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

がんの5年生存率が改善?物足りぬ新聞の解説

第20回

鳥集徹

2016年8月15日号

「がん5年生存率62.1%」 この7月21日、各紙が一斉に国立がん研究センターの発表を報じた。06〜08年にがんと診断された21府県の64万人を対象に調査したところ、すべてのがんを合わせた5年生存率は62.1%で、03〜05年にがんと診断された人を調べた前回に比べ、3.5ポイント上昇したのだそうだ。 ネットの記事で見比べると、この数字の解釈が各紙で微妙に違って、面白かった。 朝日新聞は、国立がん研究センターの若尾文彦・がん対策情報センター長の話として、「治療法が改善され、検診で早期発見ができるようになった」とする分析を紹介。5年生存率が向上したことを、ポジティブな印象で報じていた。 一方、読売新聞は、同センターの話として、「前立腺や乳房など経過のよいがんが増えた影響が大きく、治療法の改善とは言えない」とする分析でまとめている。つまり、3.5%向上したといっても安易に喜... 「がん5年生存率62.1%」 この7月21日、各紙が一斉に国立がん研究センターの発表を報じた。06〜08年にがんと診断された21府県の64万人を対象に調査したところ、すべてのがんを合わせた5年生存率は62.1%で、03〜05年にがんと診断された人を調べた前回に比べ、3.5ポイント上昇したのだそうだ。 ネットの記事で見比べると、この数字の解釈が各紙で微妙に違って、面白かった。 朝日新聞は、国立がん研究センターの若尾文彦・がん対策情報センター長の話として、「治療法が改善され、検診で早期発見ができるようになった」とする分析を紹介。5年生存率が向上したことを、ポジティブな印象で報じていた。 一方、読売新聞は、同センターの話として、「前立腺や乳房など経過のよいがんが増えた影響が大きく、治療法の改善とは言えない」とする分析でまとめている。つまり、3.5%向上したといっても安易に喜べな

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