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審査建言

医薬品製造実態整合性調査の意味するもの

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2016年8月15日号

 熊本大学を原点とした財団法人である化学及血清療法研究所は、生物学的製剤メーカーとしては大手企業である。その化血研の医薬品医療機器法違反事件は、社会的に大きな反響を呼んだだけではなく、医薬品の製造販売承認を有している多数の企業に膨大な時間と費用の浪費を強いることになった。  今回の事件を契機に行われた厚生労働省による製造実態の総点検指示は、許認可権限を有する行政庁がいかに強力であるかを天下にみせしめる強烈な効果はあったが、国民の保健衛生の向上にどの程度寄与したか、費用対効果の面からも是非知りたいところである。  厚労省は事件を受けて、化血研に対しては内容の乏しい「厳しい行政処分」を課した一方、ほかにも隠れて違反が行われているに違いないと考えてか、今回の事件とは何の関係もないにもかかわらず、医薬品製造販売承認を有するすべての業者に対し、医薬...  熊本大学を原点とした財団法人である化学及血清療法研究所は、生物学的製剤メーカーとしては大手企業である。その化血研の医薬品医療機器法違反事件は、社会的に大きな反響を呼んだだけではなく、医薬品の製造販売承認を有している多数の企業に膨大な時間と費用の浪費を強いることになった。  今回の事件を契機に行われた厚生労働省による製造実態の総点検指示は、許認可権限を有する行政庁がいかに強力であるかを天下にみせしめる強烈な効果はあったが、国民の保健衛生の向上にどの程度寄与したか、費用対効果の面からも是非知りたいところである。  厚労省は事件を受けて、化血研に対しては内容の乏しい「厳しい行政処分」を課した一方、ほかにも隠れて違反が行われているに違いないと考えてか、今回の事件とは何の関係もないにもかかわらず、医薬品製造販売承認を有するすべての業者に対し、医薬品

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