眺望「医薬街道」
国民皆保険はすでに崩壊している
近藤正觀
2016年8月15日号
市町村国民健康保険は保険料を1年以上未納すると保険証を返還しなければならず、その後は「資格証明書」に切り替わる。証明書を提示して受療する場合は全額自己負担で、保険料を納付しないと滞納している保険料と相殺され、保険者から保険部分の償還はない。 近年は働き方が多様化し派遣で働く人も多い。派遣の場合の多くは派遣会社が法人としての保険料を払いたくないので、従業員を市町村国保に加入させる事例が横行している。 国保はどの地区でも財政的には赤字なので、高い保険料になってしまう。結果として、低所得者は保険料が未払いとなり、医療保険から脱落していく。受診の必要があっても経済的問題で抑制せざるを得ない状況に追い込まれる。セーフティネットとしては「生活保護の医療扶助」があるが、保護認定には時間がかかるのが現状だ。 医療保険と生活保護の狭間にはあまり知られてい...
市町村国民健康保険は保険料を1年以上未納すると保険証を返還しなければならず、その後は「資格証明書」に切り替わる。証明書を提示して受療する場合は全額自己負担で、保険料を納付しないと滞納している保険料と相殺され、保険者から保険部分の償還はない。 近年は働き方が多様化し派遣で働く人も多い。派遣の場合の多くは派遣会社が法人としての保険料を払いたくないので、従業員を市町村国保に加入させる事例が横行している。 国保はどの地区でも財政的には赤字なので、高い保険料になってしまう。結果として、低所得者は保険料が未払いとなり、医療保険から脱落していく。受診の必要があっても経済的問題で抑制せざるを得ない状況に追い込まれる。セーフティネットとしては「生活保護の医療扶助」があるが、保護認定には時間がかかるのが現状だ。 医療保険と生活保護の狭間にはあまり知られていな
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