医薬経済オンライン

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一筆入魂

差別意識が憎悪として顕在化する時代

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2016年8月15日号

 私の26歳になる息子は、障がい者だ。  その息子に「僕は生きていてはいけない人間なの?」と尋ねられたら、どう答えたらいいのか。それを考えると、胸が張り裂けそうになる。  90年に生まれたわが息子は、健康的にはなんの問題もなかった。発育が遅いことから病院を転々として、最終的に障害があることがわかったのが3歳の頃だ。  知的と身体の障害がある息子は、立つ、歩くという行為ができない。こちらが話していることはほとんど理解しているが、しゃべり方はたどたどしい。今は車いすで生活し、作業所に通っている。  訳あって別々に暮らしているが、ボランティアと映画に行くことを楽しみにし、ゾンビのフィギュアを集め、インターネットで画像を見たりしながら、それなりに楽しそうに暮らしている。  相模原での障がい者殺傷事件以来、私の心は一向に晴れない。なぜ、こんな事件が起きたの...  私の26歳になる息子は、障がい者だ。  その息子に「僕は生きていてはいけない人間なの?」と尋ねられたら、どう答えたらいいのか。それを考えると、胸が張り裂けそうになる。  90年に生まれたわが息子は、健康的にはなんの問題もなかった。発育が遅いことから病院を転々として、最終的に障害があることがわかったのが3歳の頃だ。  知的と身体の障害がある息子は、立つ、歩くという行為ができない。こちらが話していることはほとんど理解しているが、しゃべり方はたどたどしい。今は車いすで生活し、作業所に通っている。  訳あって別々に暮らしているが、ボランティアと映画に行くことを楽しみにし、ゾンビのフィギュアを集め、インターネットで画像を見たりしながら、それなりに楽しそうに暮らしている。  相模原での障がい者殺傷事件以来、私の心は一向に晴れない。なぜ、こんな事件が起きたのか

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