医薬経済オンライン

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熊本地震から得られた教訓

医療ニーズはどう「変遷」したか

第4回

特定医療法人谷田会谷田病院事務部長 藤井将志

2016年8月1日号

 震災後の医療といえば、どのようなことをイメージするだろうか。ごった返す救急の現場に次々と患者さんが運ばれてくる光景や避難所でつらい思いをしている住民を介抱する光景、崩れた建物の片隅で懸命に医療を続ける医療者の姿。こんなイメージをする人が多いのではないだろうか。まさに、震災直後にテレビで流される映像であり、私もこれまで他地域での震災の際には、現地の病院がどこもそうだと思い込んでいた。  しかし、実際に被災地で起こっている医療ニーズの変遷は大きく違っていた。本稿でお伝えする内容はあくまで筆者の体験をベースとしており、阿蘇地域や益城地域といった被害が大きかったところについては、筆者が知っている方から得た情報に限られている。また、東日本大震災のように津波で医療機関のかなりの数が消滅してしまった震災とは状況が違う。だが、阪神淡路大震災や新潟県中...  震災後の医療といえば、どのようなことをイメージするだろうか。ごった返す救急の現場に次々と患者さんが運ばれてくる光景や避難所でつらい思いをしている住民を介抱する光景、崩れた建物の片隅で懸命に医療を続ける医療者の姿。こんなイメージをする人が多いのではないだろうか。まさに、震災直後にテレビで流される映像であり、私もこれまで他地域での震災の際には、現地の病院がどこもそうだと思い込んでいた。  しかし、実際に被災地で起こっている医療ニーズの変遷は大きく違っていた。本稿でお伝えする内容はあくまで筆者の体験をベースとしており、阿蘇地域や益城地域といった被害が大きかったところについては、筆者が知っている方から得た情報に限られている。また、東日本大震災のように津波で医療機関のかなりの数が消滅してしまった震災とは状況が違う。だが、阪神淡路大震災や新潟県中越地

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