医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

読む医療—医師が書いた本の斜め読み—

人間を見る人が医師になり作家になった

第54回

鍛冶孝雄

2016年8月1日号

 酒場で飲んでいると、自分が若かった頃、例えば学生時代あるいは少年期に自分がどうだったかを語り出すことがある。こういう話題に参加しない人は中高年にはたぶんいないだろうと思う。  同窓会では少し話しづらいが、職場の同僚など大人になってからの付き合いでは、当時の自分は、現在ではバーチャルだから何を言っても許されるような気になる。別に悪いことではないと私は思う。少し、デフォルメしても、誰も文句は言わない。有名になるための経歴詐称や、出自のウソは困るが。  そういう場面で、たいがいの大人の男は自分を、かなり偽悪化して語ることが多い。やんちゃで喧嘩ばかりしていたとか、音楽にのめり込んだ、麻雀にはまった、女の子ばかりを追っかけていた……。目標を定めて、とにかく勉強ばかりしていたなどと語る男には少なくとも酒場で遭ったことがない...  酒場で飲んでいると、自分が若かった頃、例えば学生時代あるいは少年期に自分がどうだったかを語り出すことがある。こういう話題に参加しない人は中高年にはたぶんいないだろうと思う。  同窓会では少し話しづらいが、職場の同僚など大人になってからの付き合いでは、当時の自分は、現在ではバーチャルだから何を言っても許されるような気になる。別に悪いことではないと私は思う。少し、デフォルメしても、誰も文句は言わない。有名になるための経歴詐称や、出自のウソは困るが。  そういう場面で、たいがいの大人の男は自分を、かなり偽悪化して語ることが多い。やんちゃで喧嘩ばかりしていたとか、音楽にのめり込んだ、麻雀にはまった、女の子ばかりを追っかけていた……。目標を定めて、とにかく勉強ばかりしていたなどと語る男には少なくとも酒場で遭ったことがない。そ

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence