医薬経済オンライン

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深層◎抗菌薬

傾いた“お家芸”復興への期待と不安

世界の耐性菌対策の「追い風」に乗れるか

2016年7月15日号

WHOは5年前から警鐘を鳴らす「あの頃はたくさん治験に携わっていた。今思えばいらない製品もあったのかもね」  感染症が専門のある大学教授は笑みを浮かべて当時を懐かしむ。今から30年前にも遡るが、80年代は抗菌薬が日本の医療用医薬品市場を謳歌していた。各製薬会社はこぞって抗菌薬を上市し、いわば「抗菌薬バブル」を形成していた。それがいつしか投資に見合う回収が困難となり、1社また1社と抗菌薬から撤退、抗菌薬チームも解散していった。今では医薬品市場全体でわずか数%程度の市場規模に縮小するほどの凋落ぶりだ。  昔日の勢いはなくなった領域だが、その状況下にもかかわらず、世界各国は復活を待ち望んでいる。各地で頻発する「薬剤耐性菌」(AMR)は“待ったなし”の問題となってしまったためだ。  例えば、五輪開催が迫るブラジル・リオデジャネイロの海岸から「カルバペネム耐... WHOは5年前から警鐘を鳴らす「あの頃はたくさん治験に携わっていた。今思えばいらない製品もあったのかもね」  感染症が専門のある大学教授は笑みを浮かべて当時を懐かしむ。今から30年前にも遡るが、80年代は抗菌薬が日本の医療用医薬品市場を謳歌していた。各製薬会社はこぞって抗菌薬を上市し、いわば「抗菌薬バブル」を形成していた。それがいつしか投資に見合う回収が困難となり、1社また1社と抗菌薬から撤退、抗菌薬チームも解散していった。今では医薬品市場全体でわずか数%程度の市場規模に縮小するほどの凋落ぶりだ。  昔日の勢いはなくなった領域だが、その状況下にもかかわらず、世界各国は復活を待ち望んでいる。各地で頻発する「薬剤耐性菌」(AMR)は“待ったなし”の問題となってしまったためだ。  例えば、五輪開催が迫るブラジル・リオデジャネイロの海岸から「カルバペネム耐性

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