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特集・2016参院選

薄氷の当選の裏にねじれ、股裂き、そして涙

巨大与党対医師議員・桜井氏の宮城選挙区ルポ

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2016年7月15日号

自民党の熊谷氏の選挙事務所には安倍首相のポスターが100枚近くも。いったい誰が候補者? 憲法改正の発議が可能となる3分の2以上の改正派議員の確保が焦点となった今回の参院議員選挙で、宮城選挙区では定数が2人から1人に減員となり、現職同士の熾烈な争いが繰り広げられた。  自民党の若手で当選1回の熊谷大氏と、医師で民進党から3期連続の当選を果たしている桜井充氏の一騎打ち。選挙戦前には、桜井氏の圧倒的有利が伝えられていた。  月に1回ほどだが、地元で診療を続けているうえ、集会や勉強会に月に何度も通う桜井氏の知名度は、熊谷氏を凌駕している。  東日本大震災時、政権を担っていた民主党(当時)で財務副大臣を務めていた桜井氏は、被災地を往復しながら支援を続けてきた。  企業の復興援助のために、グループ化補助金制度を創設する原動力ともなった。中小企業がグループで事業計... 自民党の熊谷氏の選挙事務所には安倍首相のポスターが100枚近くも。いったい誰が候補者? 憲法改正の発議が可能となる3分の2以上の改正派議員の確保が焦点となった今回の参院議員選挙で、宮城選挙区では定数が2人から1人に減員となり、現職同士の熾烈な争いが繰り広げられた。  自民党の若手で当選1回の熊谷大氏と、医師で民進党から3期連続の当選を果たしている桜井充氏の一騎打ち。選挙戦前には、桜井氏の圧倒的有利が伝えられていた。  月に1回ほどだが、地元で診療を続けているうえ、集会や勉強会に月に何度も通う桜井氏の知名度は、熊谷氏を凌駕している。  東日本大震災時、政権を担っていた民主党(当時)で財務副大臣を務めていた桜井氏は、被災地を往復しながら支援を続けてきた。  企業の復興援助のために、グループ化補助金制度を創設する原動力ともなった。中小企業がグループで事業計画

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