医薬経済オンライン

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化学構造式から薬剤師が考えるクスリ

アスピリンとその歴史

第1回

医化学創薬代表取締役 伊藤勝彦

2016年7月1日号

 先日、調剤薬局に勤めている妻に、薬科大学での勉強が役に立っているのかと聞いたところ「有機化学や構造式の知識を実際に使うことはほとんどない」との答えが返ってきました。それよりも「薬効や副作用などの情報が重要」とのことでした。  調剤業務で日々忙しい薬剤師の先生方にとって「患者さんの治療に直結した情報が最も大切である」というのも当然のことです。薬学生のときに習得した生理学や生化学、薬理学、薬剤学などの知識が、服薬指導を行ううえで大いに役に立っているということでしょう。  さらに、最近では薬剤師の業務が在宅医療やセルフメディケーションの支援に広がってきているなかでは、医療薬学や公衆衛生、栄養学など多岐にわたる知識が求められています。薬剤師が関わる業務はますます多忙になっていることでしょう。  一方で、少し残念に感じているのは、多くの単位を取得...  先日、調剤薬局に勤めている妻に、薬科大学での勉強が役に立っているのかと聞いたところ「有機化学や構造式の知識を実際に使うことはほとんどない」との答えが返ってきました。それよりも「薬効や副作用などの情報が重要」とのことでした。  調剤業務で日々忙しい薬剤師の先生方にとって「患者さんの治療に直結した情報が最も大切である」というのも当然のことです。薬学生のときに習得した生理学や生化学、薬理学、薬剤学などの知識が、服薬指導を行ううえで大いに役に立っているということでしょう。  さらに、最近では薬剤師の業務が在宅医療やセルフメディケーションの支援に広がってきているなかでは、医療薬学や公衆衛生、栄養学など多岐にわたる知識が求められています。薬剤師が関わる業務はますます多忙になっていることでしょう。  一方で、少し残念に感じているのは、多くの単位を取得しな

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