漢方処方 千差万様
補中益気湯の効果
第17回
安廣誠心堂薬局 安廣嘉人
2016年7月1日号
テレビや雑誌などで“腸内環境”とか“腸内フローラ”という言葉を目にすることが多くなりました。人の腸にはたくさんの細菌が棲んでいて、それらを腸内細菌と呼んでいます。善玉菌と悪玉菌に大別することができ、さらに日和見細菌と言われる菌もあります。その数は100種類以上で個体数は100兆個とされています。
この腸内細菌をバランスよく保たれる状態にすることが、予防医学のなかで研究されています。
漢方医学でも昔から胃腸は大切な働きをしていると考えられ、傷寒論・金匱要略には「建中湯」と呼ばれる処方がいくつか記載されています。簡単に説明すると「中」とは脾胃、すなわちお腹(胃腸)のことです。建中湯は胃腸を建て直す(丈夫にする)漢方薬ということになります。
大建中湯(構成生薬は人参・乾姜・山椒)、小建中湯(構成生薬は桂枝・芍薬・生姜・甘草...
テレビや雑誌などで“腸内環境”とか“腸内フローラ”という言葉を目にすることが多くなりました。人の腸にはたくさんの細菌が棲んでいて、それらを腸内細菌と呼んでいます。善玉菌と悪玉菌に大別することができ、さらに日和見細菌と言われる菌もあります。その数は100種類以上で個体数は100兆個とされています。
この腸内細菌をバランスよく保たれる状態にすることが、予防医学のなかで研究されています。
漢方医学でも昔から胃腸は大切な働きをしていると考えられ、傷寒論・金匱要略には「建中湯」と呼ばれる処方がいくつか記載されています。簡単に説明すると「中」とは脾胃、すなわちお腹(胃腸)のことです。建中湯は胃腸を建て直す(丈夫にする)漢方薬ということになります。
大建中湯(構成生薬は人参・乾姜・山椒)、小建中湯(構成生薬は桂枝・芍薬・生姜・甘草・大
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