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医薬品の「古くて未解決」な問題─残薬
2016年7月1日号
16年度診療報酬改定で、残薬や重複投薬が医療費適正化のターゲットとなった。「かかりつけ薬剤師」が残薬などを見つけて、処方医に報告、それで処方が変更された場合の加算が20点から30点に引き上げられた。残薬の明確な定義は見当たらないが、医療機関から処方された医療用医薬品で、患者が何らかの理由で飲み忘れた薬である。単なる物忘れで飲まなかったり、多種類の薬を処方されて適切に服用できなかった場合などに生じる。高齢者に多い。 薬の飲み残しは、患者の症状悪化のみならず、医療費の増大と無駄に直接つながる。国は、医師と薬剤師が連携、残薬の削減も視野に、薬剤の適正使用が図られるよう、取り組みを強化している。 ところが日本の残薬の実態は、よくわかっていない。日本薬剤師会が、10年前の07年に在宅患者約800人を対象として行った調査では、患者の約4割に薬の飲み残しや飲み忘...
16年度診療報酬改定で、残薬や重複投薬が医療費適正化のターゲットとなった。「かかりつけ薬剤師」が残薬などを見つけて、処方医に報告、それで処方が変更された場合の加算が20点から30点に引き上げられた。残薬の明確な定義は見当たらないが、医療機関から処方された医療用医薬品で、患者が何らかの理由で飲み忘れた薬である。単なる物忘れで飲まなかったり、多種類の薬を処方されて適切に服用できなかった場合などに生じる。高齢者に多い。 薬の飲み残しは、患者の症状悪化のみならず、医療費の増大と無駄に直接つながる。国は、医師と薬剤師が連携、残薬の削減も視野に、薬剤の適正使用が図られるよう、取り組みを強化している。 ところが日本の残薬の実態は、よくわかっていない。日本薬剤師会が、10年前の07年に在宅患者約800人を対象として行った調査では、患者の約4割に薬の飲み残しや飲み忘れが
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