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時流遡航

遅すぎる「プログラミング教育必修化」提唱

─絶好の機会を逃した教育政策の無策─

ジャーナリスト 本田成親

2016年7月1日号

 今年4月、文部科学省は小学校でのプログラミング教育の必修化を実践すると発表した。IT技術の飛躍的進歩の中にあってコンピュータ制御能力の育成は喫緊の課題と判断したからだそうで、その後、有識者会議も開かれたようだ。  プログラミング教科を新設するのではなく、算数・理科などの既存教科中にプログラミング教育を挿入する方針で、中学と高校でもその展開を図るらしい。政府の産業競争力会議で示された新成長戦略にも小中高でのプログラミング教育の必修化は盛り込み済みだという。この発表に接した私は、正直、言葉には尽くし難い虚しさを覚えた。何を今さら……30年近い遅れをどうやって取り戻そうと言うのかという、やり場のない思いが胸中に渦巻いたからである。  80年代初めから10年余にわたって初等中等教育期の数学や理科の論理思考力養成と直結したプログ...  今年4月、文部科学省は小学校でのプログラミング教育の必修化を実践すると発表した。IT技術の飛躍的進歩の中にあってコンピュータ制御能力の育成は喫緊の課題と判断したからだそうで、その後、有識者会議も開かれたようだ。  プログラミング教科を新設するのではなく、算数・理科などの既存教科中にプログラミング教育を挿入する方針で、中学と高校でもその展開を図るらしい。政府の産業競争力会議で示された新成長戦略にも小中高でのプログラミング教育の必修化は盛り込み済みだという。この発表に接した私は、正直、言葉には尽くし難い虚しさを覚えた。何を今さら……30年近い遅れをどうやって取り戻そうと言うのかという、やり場のない思いが胸中に渦巻いたからである。  80年代初めから10年余にわたって初等中等教育期の数学や理科の論理思考力養成と直結したプログラ

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