読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
臨床遺伝学の「進歩」と「苦悩」
第52回
鍛冶孝雄
2016年7月1日号
はるか昔のように思えるが明確に記憶していることの多くは、予想外のことが起きて、その結果が願ったものだったり、そうではなかったことの一つひとつだ。結局は現在の暮らしや、心身の状態に強い影響を与えている。日常で思い出すことはなくても、何か折に触れてそうした思いに引き込まれることは誰もが経験しているだろうと思える。
20年以上も経っているが、子どものひとりがある難病を疑われた。かかりつけの小児科医の素早い判断で小児の重症病棟に入院し、診断はその疾病どおりとなった。病室は6人部屋で、0歳児から10歳くらいまでの子どもが入院・加療していた。年齢の比較的高い子どもは、それなりに活発で、重度の病気とは見えない子もいた。
私の子は、順調に危機を脱して、1ヵ月足らずで退院した。医師からは軽度であり、かかりつけ小児科医の迅速な措置が...
はるか昔のように思えるが明確に記憶していることの多くは、予想外のことが起きて、その結果が願ったものだったり、そうではなかったことの一つひとつだ。結局は現在の暮らしや、心身の状態に強い影響を与えている。日常で思い出すことはなくても、何か折に触れてそうした思いに引き込まれることは誰もが経験しているだろうと思える。
20年以上も経っているが、子どものひとりがある難病を疑われた。かかりつけの小児科医の素早い判断で小児の重症病棟に入院し、診断はその疾病どおりとなった。病室は6人部屋で、0歳児から10歳くらいまでの子どもが入院・加療していた。年齢の比較的高い子どもは、それなりに活発で、重度の病気とは見えない子もいた。
私の子は、順調に危機を脱して、1ヵ月足らずで退院した。医師からは軽度であり、かかりつけ小児科医の迅速な措置が功
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録