技術革新と製薬企業の明日
iPS細胞研究が再始動
第69回 ゲノムの罠から脱した意義
生島准
2016年6月15日号
6月6日、神戸市の理化学研究所での記者会見で理研と神戸市立医療センター中央市民病院、京都大学、大阪大学が共同で、他家iPS細胞から誘導した網膜色素上皮細胞を使って加齢黄斑変性の治療を行う臨床研究を、17年前半にも行うと発表した。京大iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長や阪大大学院医学系研究科の澤芳樹科長など日本の再生医療関係者がずらりと並ぶなか、「非常に大きな前進だ」と山中所長が述べたように、出席者の意気込みも極めて強かった。 その背景には14年9月に理研を中心に実施された自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の加齢黄斑変性治療の臨床研究以降、iPS細胞の臨床研究が事実上、封印されてきたことがあった。ゲノム解析の結果、作製したiPS細胞に限定的だがゲノム構造の変化が報告され、15年に予定されていた自家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞移植の第2...
6月6日、神戸市の理化学研究所での記者会見で理研と神戸市立医療センター中央市民病院、京都大学、大阪大学が共同で、他家iPS細胞から誘導した網膜色素上皮細胞を使って加齢黄斑変性の治療を行う臨床研究を、17年前半にも行うと発表した。京大iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長や阪大大学院医学系研究科の澤芳樹科長など日本の再生医療関係者がずらりと並ぶなか、「非常に大きな前進だ」と山中所長が述べたように、出席者の意気込みも極めて強かった。 その背景には14年9月に理研を中心に実施された自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の加齢黄斑変性治療の臨床研究以降、iPS細胞の臨床研究が事実上、封印されてきたことがあった。ゲノム解析の結果、作製したiPS細胞に限定的だがゲノム構造の変化が報告され、15年に予定されていた自家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞移植の第2例目
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