医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

「誰のため」の臨床研究か法案を議論の契機に

第16回

鳥集徹

2016年6月15日号

「本来は研究者のモラルに任せるべきだけど、ディオバン事件のような不正があった以上、仕方ないという意見が多いよね」 臨床研究法案について、医師たちはどう思っているのだろう。たまたまディオバン事件に詳しい医師に取材する機会があったので聞いてみたところ、冒頭のような意見を聞くことができた。 本誌でも指摘していた通り、治験以外のものまで法律で規制すると、臨床研究が衰退するという意見は根強い(「臨床研究法案、もうひとつの狙い」16年6月1日号)。データの改竄防止が重要とはいえ、治験並みのモニタリング・監査を義務付ければ、コストがかかり過ぎて、臨床研究そのものが困難になるという指摘だ。もっともだと思う。 ただ、そもそも、日本の臨床研究は欧米に比べて、数も質も大きく立ち遅れているのが実情だ。とくに筆者は、僭越ながら「質」が問題だと感じてきた。医学の常識を... 「本来は研究者のモラルに任せるべきだけど、ディオバン事件のような不正があった以上、仕方ないという意見が多いよね」 臨床研究法案について、医師たちはどう思っているのだろう。たまたまディオバン事件に詳しい医師に取材する機会があったので聞いてみたところ、冒頭のような意見を聞くことができた。 本誌でも指摘していた通り、治験以外のものまで法律で規制すると、臨床研究が衰退するという意見は根強い(「臨床研究法案、もうひとつの狙い」16年6月1日号)。データの改竄防止が重要とはいえ、治験並みのモニタリング・監査を義務付ければ、コストがかかり過ぎて、臨床研究そのものが困難になるという指摘だ。もっともだと思う。 ただ、そもそも、日本の臨床研究は欧米に比べて、数も質も大きく立ち遅れているのが実情だ。とくに筆者は、僭越ながら「質」が問題だと感じてきた。医学の常識を変え

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence