平時医療の破錠に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜
世界の軍隊の個人携行救急品
第6回
一般社団法人TACMEDA協議会理事長 照井資規
2016年6月15日号
前回6月1日号に掲載した、各国の戦闘外傷救護技術の比較表で、日本の救急救命士が行える応急処置内容を示したが、それは救急救命士に特別な訓練を施した米軍の野戦医療特技軍曹(MEDIC)が行える応急処置の半分に満たない。この比較から、海外と日本の救急医療体制に対する考え方が大きく異なることがわかる。日本では基本的に心肺停止状態になってから救急救命士が介入できるようになるのに対し、海外の救急救命士は心肺停止状態に陥ることを避けるためにさまざまな処置を行い、生命を維持しようとする。
この違いは平時も有事も変わらず、日本と海外の病院前救護・初療の格差そのものを表している。この問題を放置すれば、日本の救急医療体制は世界水準から大きく立ち遅れてしまうだろう。日本の救急救命士の特定行為として、心肺停止前の輸液療法などが限定的に認められるようになったが、...
前回6月1日号に掲載した、各国の戦闘外傷救護技術の比較表で、日本の救急救命士が行える応急処置内容を示したが、それは救急救命士に特別な訓練を施した米軍の野戦医療特技軍曹(MEDIC)が行える応急処置の半分に満たない。この比較から、海外と日本の救急医療体制に対する考え方が大きく異なることがわかる。日本では基本的に心肺停止状態になってから救急救命士が介入できるようになるのに対し、海外の救急救命士は心肺停止状態に陥ることを避けるためにさまざまな処置を行い、生命を維持しようとする。
この違いは平時も有事も変わらず、日本と海外の病院前救護・初療の格差そのものを表している。この問題を放置すれば、日本の救急医療体制は世界水準から大きく立ち遅れてしまうだろう。日本の救急救命士の特定行為として、心肺停止前の輸液療法などが限定的に認められるようになったが、心肺
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