話題の焦点
「骨密度改善効果Caに疑念」
2016年6月1日号
日本人の食生活は豊かになり、必要な栄養素は一部過剰摂取が目立つほどである。ただ唯一、カルシウム(Ca)だけが摂取不足で、長年未解決状態を続けている。 結果、Ca不足は骨粗しょう症患者1100万人超えを生み、寝たきりという日本独特の不名誉な社会問題につながっている。 そこで、Caの適量摂取が必要とされるわけだが、実に不可解なデータ解析が最近発表され、混乱が生じている。 世界59ヵ国もの大規模な無作為化比較対照試験の結果、食事による摂取、あるいはサプリメント摂取(ビタミンDを含む)が骨密度の増加及び骨折率の低下に関連性が見られなかったというのである(片井みゆき:日本医事新報16・2・2)。 さらに、WHOも「Ca摂取量が多い国に骨折が多い」と追随、牛乳を飲む人ほど骨粗しょう症になりやすいとの疫学調査報告もある。 乳製品、サプリメント愛用者は極めて多...
日本人の食生活は豊かになり、必要な栄養素は一部過剰摂取が目立つほどである。ただ唯一、カルシウム(Ca)だけが摂取不足で、長年未解決状態を続けている。 結果、Ca不足は骨粗しょう症患者1100万人超えを生み、寝たきりという日本独特の不名誉な社会問題につながっている。 そこで、Caの適量摂取が必要とされるわけだが、実に不可解なデータ解析が最近発表され、混乱が生じている。 世界59ヵ国もの大規模な無作為化比較対照試験の結果、食事による摂取、あるいはサプリメント摂取(ビタミンDを含む)が骨密度の増加及び骨折率の低下に関連性が見られなかったというのである(片井みゆき:日本医事新報16・2・2)。 さらに、WHOも「Ca摂取量が多い国に骨折が多い」と追随、牛乳を飲む人ほど骨粗しょう症になりやすいとの疫学調査報告もある。 乳製品、サプリメント愛用者は極めて多い。
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