医薬経済オンライン

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臨床研究法案、もうひとつの狙い

自由診療にメス、規制強化で弊害も

2016年6月1日号

 医薬品の臨床研究について、第三者によるチェックを義務付ける「臨床研究法案」が、5月13日、閣議決定された。高血圧症治療薬「ディオバン」(一般名=バルサルタン)を巡る研究不正問題の発覚を受け、検討されてきた法案で、今夏に国会で可決・成立する見通しだ。新法が施行されれば、ディオバン事件で地に落ちた日本の臨床研究に対する信頼も少しは回復に向かいそうだが、研究現場の反応は冷ややか。新法は、研究を行う医師にとって新たな規制にほかならず、逆に「臨床研究ができなくなる」といった声が漏れる。新法の狙いは何なのか。  5月14日、東京都内で開催された臨床高血圧フォーラムで、琉球大学大学院の植田真一郎教授が、法案への不安を強く訴えた。 「結局、こういうことをあまり進め過ぎると英国のように臨床研究が衰退する」  植田氏が「こういうこと」と述べるのは、モニタリングや...  医薬品の臨床研究について、第三者によるチェックを義務付ける「臨床研究法案」が、5月13日、閣議決定された。高血圧症治療薬「ディオバン」(一般名=バルサルタン)を巡る研究不正問題の発覚を受け、検討されてきた法案で、今夏に国会で可決・成立する見通しだ。新法が施行されれば、ディオバン事件で地に落ちた日本の臨床研究に対する信頼も少しは回復に向かいそうだが、研究現場の反応は冷ややか。新法は、研究を行う医師にとって新たな規制にほかならず、逆に「臨床研究ができなくなる」といった声が漏れる。新法の狙いは何なのか。  5月14日、東京都内で開催された臨床高血圧フォーラムで、琉球大学大学院の植田真一郎教授が、法案への不安を強く訴えた。 「結局、こういうことをあまり進め過ぎると英国のように臨床研究が衰退する」  植田氏が「こういうこと」と述べるのは、モニタリングや監査

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