医薬経済オンライン

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災害医療のハブとして貢献するも課題あり

ドキュメント モバイルファーマシーの軌跡

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2016年5月15日号

 熊本県薬剤師会専務理事の神田晴生は、これまで経験したことのない揺れにたじろいだ。自宅の食器棚は倒れ、食器が散乱する。  4月14日午後9時26分、熊本を中心に震度7の地震に見舞われた。神田は一通りの片づけをして翌朝午前7時半には、熊本市内の県薬剤師会に到着していた。会長の廣田誠介と相談して、理事2人を被害が大きかった益城町に派遣し、災害対策本部を立ち上げた。  現地からの報告で、災害派遣医療チーム(DMAT)が救護所を設置するので、仮設薬局が必要だとの報告があがってきた。  廣田が日本薬剤師会長の山本信夫と電話で話しているとき、廣田が受話器を神田に渡した。山本会長とは、彼が副会長だった東日本大震災のときの思い出がある。  5年前、熊本県薬の班長として被災地に派遣される前日、東京の四谷のホテルに宿泊した。食事をしている間に、山本自らが暗い駐車場に止め...  熊本県薬剤師会専務理事の神田晴生は、これまで経験したことのない揺れにたじろいだ。自宅の食器棚は倒れ、食器が散乱する。  4月14日午後9時26分、熊本を中心に震度7の地震に見舞われた。神田は一通りの片づけをして翌朝午前7時半には、熊本市内の県薬剤師会に到着していた。会長の廣田誠介と相談して、理事2人を被害が大きかった益城町に派遣し、災害対策本部を立ち上げた。  現地からの報告で、災害派遣医療チーム(DMAT)が救護所を設置するので、仮設薬局が必要だとの報告があがってきた。  廣田が日本薬剤師会長の山本信夫と電話で話しているとき、廣田が受話器を神田に渡した。山本会長とは、彼が副会長だった東日本大震災のときの思い出がある。  5年前、熊本県薬の班長として被災地に派遣される前日、東京の四谷のホテルに宿泊した。食事をしている間に、山本自らが暗い駐車場に止めた

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