技術革新と製薬企業の明日
血小板の再生医療への期待
第68回 着実に課題解決したCiRA副所長
生島准
2016年5月15日号
iPS細胞を活用した再生医療は難渋している。iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞による、加齢黄斑変性に対する臨床研究を14年に理化学研究所が行った。だが、次世代シーケンサーによって細胞の品質と安全性の懸念が初めて明らかとなり、15年に第2例目の移植を断念した。それ以来、袋小路に入ってしまった。15年に文部科学省が発表したiPS細胞の再生医療の工程表改訂版も、09年の工程表と比べると、眼球内への移植で万が一、腫瘍化してもレーザーで焼き切ることができる網膜色素上皮細胞を除き、軒並み臨床応用は1年から4年遅れた(図)。
最大の問題は未分化なiPS細胞の残存による造腫瘍性リスクだ。網膜色素上皮細胞やパーキンソン病治療のためのドーパミン産生神経細胞など、iPS細胞の臨床応用の先端を走っていた研究は、この造腫瘍性のリスクを解決できず、またパーキ...
iPS細胞を活用した再生医療は難渋している。iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞による、加齢黄斑変性に対する臨床研究を14年に理化学研究所が行った。だが、次世代シーケンサーによって細胞の品質と安全性の懸念が初めて明らかとなり、15年に第2例目の移植を断念した。それ以来、袋小路に入ってしまった。15年に文部科学省が発表したiPS細胞の再生医療の工程表改訂版も、09年の工程表と比べると、眼球内への移植で万が一、腫瘍化してもレーザーで焼き切ることができる網膜色素上皮細胞を除き、軒並み臨床応用は1年から4年遅れた(図)。
最大の問題は未分化なiPS細胞の残存による造腫瘍性リスクだ。網膜色素上皮細胞やパーキンソン病治療のためのドーパミン産生神経細胞など、iPS細胞の臨床応用の先端を走っていた研究は、この造腫瘍性のリスクを解決できず、またパーキンソ
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