鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜
子宮頸がんワクチン「失敗」から学ぶべきこと③
第14回
鳥集徹
2016年5月15日号
ワクチンが社会に受け入れられるためには、メリットとデメリットをわかりやすく示し、人々にその必要性を理解してもらう必要がある。子宮頸がんワクチンには、そのプロセスが決定的に欠けていたというのが筆者の考えだ。 それだけではない。このワクチンではもうひとつ、重大な議論が欠けてきた。それは、「本当に子宮頸がん死を減らせるのか?」という問いだ。「子宮頸がんワクチン」と呼ぶからには、子宮頸がんの死亡率が減らせることを科学的に証明しなければならない。 推進派は、前がん病変や上皮内がんが減ったとするデータがあることをもって、このワクチンで命を救えることは「自明の理」であるかのように主張してきた。だが、これは代理エンドポイントに過ぎない。なぜなら、前がん病変や上皮内がんのすべてが浸潤がんになり、命を奪うとは限らないからだ。極論すれば、このワクチンが減ら...
ワクチンが社会に受け入れられるためには、メリットとデメリットをわかりやすく示し、人々にその必要性を理解してもらう必要がある。子宮頸がんワクチンには、そのプロセスが決定的に欠けていたというのが筆者の考えだ。 それだけではない。このワクチンではもうひとつ、重大な議論が欠けてきた。それは、「本当に子宮頸がん死を減らせるのか?」という問いだ。「子宮頸がんワクチン」と呼ぶからには、子宮頸がんの死亡率が減らせることを科学的に証明しなければならない。 推進派は、前がん病変や上皮内がんが減ったとするデータがあることをもって、このワクチンで命を救えることは「自明の理」であるかのように主張してきた。だが、これは代理エンドポイントに過ぎない。なぜなら、前がん病変や上皮内がんのすべてが浸潤がんになり、命を奪うとは限らないからだ。極論すれば、このワクチンが減らして
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