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審査建言

添付文書の「目的」は何か

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2016年5月15日号

 イレッサ事件の裁判でも問題点のひとつとして指摘されていたが、日本では医療用医薬品の添付文書の法的な位置付けが曖昧であった。このことによって、裁判では国が救われた面もある。  添付文書の記載内容に対する行政責任の明確化については、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」の最終提言も指摘している。添付文書について委員会は、適時かつ定期的な最新知見の反映と変更の事前確認手続き、公的な文書としての位置付けと行政の責任の明確化、エビデンスに基づく科学的な効能効果の範囲の明確化などが必要であると指摘しているのだ。  添付文書の記載内容を米国のように承認事項のひとつとし、行政の関与と責任を明確化すべきであるという意見は以前からあった。だが、行政責任が重くなると、新薬審査や安全対策業務に負荷がかかるため、日本では添付文書や...  イレッサ事件の裁判でも問題点のひとつとして指摘されていたが、日本では医療用医薬品の添付文書の法的な位置付けが曖昧であった。このことによって、裁判では国が救われた面もある。  添付文書の記載内容に対する行政責任の明確化については、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」の最終提言も指摘している。添付文書について委員会は、適時かつ定期的な最新知見の反映と変更の事前確認手続き、公的な文書としての位置付けと行政の責任の明確化、エビデンスに基づく科学的な効能効果の範囲の明確化などが必要であると指摘しているのだ。  添付文書の記載内容を米国のように承認事項のひとつとし、行政の関与と責任を明確化すべきであるという意見は以前からあった。だが、行政責任が重くなると、新薬審査や安全対策業務に負荷がかかるため、日本では添付文書や使

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