医薬経済オンライン

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新たな災害医療の姿を示した「MP」

熊本地震への初出動でわかった思惑以上の「効果」

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2016年5月1日号

大分県薬が運用するMPの周りではOTCが運び込まれていた。後に手作りの棚が完成して収納された 熊本地震の本震から4日後の20日、被害の最も深刻な益城町に入った。崩落の危険性のある町役場に代わって本部機能が移った町の保健福祉センター駐車場に、大分県薬剤師会が派遣したモバイル・ファーマシー(MP)があった。  自衛隊のテントや車両がひしめく一角で、医師らが詰める仮設診療所のすぐ外側に横付けされている。その周りには10人ほどの薬剤師が、それぞれ派遣元のベストを着て働いていた。熊本地震は、津波で病院や薬局などの建物が流された東日本大震災と比べ、被害は局地的だ。どちらかと言うと、建物が倒壊した阪神・淡路大震災に近い。  だが、古い民家が多かったために家屋の倒壊による避難住民が多い。それに加えて、大きな余震が続くので、怖くて自宅に戻れない人が避難所に身を寄せて... 大分県薬が運用するMPの周りではOTCが運び込まれていた。後に手作りの棚が完成して収納された 熊本地震の本震から4日後の20日、被害の最も深刻な益城町に入った。崩落の危険性のある町役場に代わって本部機能が移った町の保健福祉センター駐車場に、大分県薬剤師会が派遣したモバイル・ファーマシー(MP)があった。  自衛隊のテントや車両がひしめく一角で、医師らが詰める仮設診療所のすぐ外側に横付けされている。その周りには10人ほどの薬剤師が、それぞれ派遣元のベストを着て働いていた。熊本地震は、津波で病院や薬局などの建物が流された東日本大震災と比べ、被害は局地的だ。どちらかと言うと、建物が倒壊した阪神・淡路大震災に近い。  だが、古い民家が多かったために家屋の倒壊による避難住民が多い。それに加えて、大きな余震が続くので、怖くて自宅に戻れない人が避難所に身を寄せてい

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