在宅医療で強みを発揮する薬剤は

製薬企業に必要な攻略のポイント

2016年5月1日号

　前回4月1日号では医療提供体制で比重が高まる在宅医療の主な疾患などについて分析した。ここから医薬品市場がどのように変化していくのか、そして製薬企業がこの変化に対してどのような戦略を採るべきか探る。　在宅療養患者の疾患では、がんが全体に占める割合がとくに高いことに触れたが、具体的にどのようながん患者が在宅医療の対象となるのだろうか。　まず言えるのは、患者が入院から在宅に移行する時点で、すでに積極的な抗がん剤治療は終えており、在宅ではその後の「ベスト・サポーティブ・ケア」（ＢＳＣ）が中心となることだ。そのため、オピオイドやフェンタニル、モルヒネを中心とした麻薬や制吐剤などが処方される。　いくらかのＡＤＬ（日常生活動作）が残されている場合は、がん細胞の増殖抑制やＡＤＬの維持を目的として、チロシンキナーゼ阻害剤などの経口タイプ、メトトレキサ... 　前回4月1日号では医療提供体制で比重が高まる在宅医療の主な疾患などについて分析した。ここから医薬品市場がどのように変化していくのか、そして製薬企業がこの変化に対してどのような戦略を採るべきか探る。　在宅療養患者の疾患では、がんが全体に占める割合がとくに高いことに触れたが、具体的にどのようながん患者が在宅医療の対象となるのだろうか。　まず言えるのは、患者が入院から在宅に移行する時点で、すでに積極的な抗がん剤治療は終えており、在宅ではその後の「ベスト・サポーティブ・ケア」（ＢＳＣ）が中心となることだ。そのため、オピオイドやフェンタニル、モルヒネを中心とした麻薬や制吐剤などが処方される。　いくらかのＡＤＬ（日常生活動作）が残されている場合は、がん細胞の増殖抑制やＡＤＬの維持を目的として、チロシンキナーゼ阻害剤などの経口タイプ、メトトレキサート

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