「かかりつけ」になれなかった薬剤師
地方厚生局の「曖昧な解釈」で混乱する現場
2016年5月1日号
「1回当たり30円ほど高くつきますが、責任を持ってご相談にのりますので、私をかかりつけ薬剤師に選んでもらえませんか」
西日本のある中小チェーン薬局。その店舗に5年間籍を置く40歳代の男性薬剤師Kさんは3月中旬以降、こんな声掛けを始めるよう会社から指示された。
16年度調剤報酬改定で導入された「かかりつけ薬剤師指導料」(70点)を4月から算定するための最初の手順である。この声掛けに成功し、同意書へのサインを取り付ければ“かかりつけ契約”締結となる。自分はかかりつけ薬剤師の要件をクリアできる経験を持っていると言われた。今後会社から手当ても出るようになるという。
ただ、指導料を算定すれば、従来の薬剤服用歴管理指導料(初回来局時または特例基本料の薬局は50点/2回目以降お薬手帳持参38点)に比べ、患者負担1割なら20〜30円、3割ならば60〜100円の負担増になる。「自...
「1回当たり30円ほど高くつきますが、責任を持ってご相談にのりますので、私をかかりつけ薬剤師に選んでもらえませんか」
西日本のある中小チェーン薬局。その店舗に5年間籍を置く40歳代の男性薬剤師Kさんは3月中旬以降、こんな声掛けを始めるよう会社から指示された。
16年度調剤報酬改定で導入された「かかりつけ薬剤師指導料」(70点)を4月から算定するための最初の手順である。この声掛けに成功し、同意書へのサインを取り付ければ“かかりつけ契約”締結となる。自分はかかりつけ薬剤師の要件をクリアできる経験を持っていると言われた。今後会社から手当ても出るようになるという。
ただ、指導料を算定すれば、従来の薬剤服用歴管理指導料(初回来局時または特例基本料の薬局は50点/2回目以降お薬手帳持参38点)に比べ、患者負担1割なら20〜30円、3割ならば60〜100円の負担増になる。「自分が
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