技術革新と製薬企業の明日
iPS細胞の再生医療に光明
第67回 慶大が4つの技術で難関を突破
生島准
2016年4月15日号
iPS細胞の発見から10周年を迎えた今年、とうとうiPS細胞を活用した再生医療の実現に重要な技術突破が起こった。理化学研究所が行ったiPS細胞由来の網膜色素上皮細胞の臨床研究で、第2例目の移植が昨年断念されて以来、袋小路に陥っていたiPS細胞による再生医療に光が見えてきたのだ。
4月1日、慶應義塾大学医学部循環器内科学教室の遠山周吾助教、藤田淳特任講師、福田恵一教授らの研究グループは、未分化のヒトiPS細胞を培地の成分を改良して除去、安全な心筋細胞を製造することに成功したと発表した。ところが、この記事を多くの再生医療の専門家が恒例のエイプリルフールの偽記事ではないかと訝しがった。その理由は、当面解決は困難だろうと予測されていた問題である、残存したiPS細胞による造腫瘍性リスクを氷解する内容だったからだ。
だが発...
iPS細胞の発見から10周年を迎えた今年、とうとうiPS細胞を活用した再生医療の実現に重要な技術突破が起こった。理化学研究所が行ったiPS細胞由来の網膜色素上皮細胞の臨床研究で、第2例目の移植が昨年断念されて以来、袋小路に陥っていたiPS細胞による再生医療に光が見えてきたのだ。
4月1日、慶應義塾大学医学部循環器内科学教室の遠山周吾助教、藤田淳特任講師、福田恵一教授らの研究グループは、未分化のヒトiPS細胞を培地の成分を改良して除去、安全な心筋細胞を製造することに成功したと発表した。ところが、この記事を多くの再生医療の専門家が恒例のエイプリルフールの偽記事ではないかと訝しがった。その理由は、当面解決は困難だろうと予測されていた問題である、残存したiPS細胞による造腫瘍性リスクを氷解する内容だったからだ。
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