井上和秀・九州大学理事・副学長

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井上和秀・九州大学理事・副学長

2016年4月1日号

人にも地球にもやさしい創薬──昨年2月に竣工した「グリーンファルマ研究所」で独自のアカデミア創薬に取り組んでいます。井上　グリーンファルマとは、「エコファーマ」と「グリーンケミストリー」を合わせた九州大学オリジナルの概念で、人と地球にやさしい創薬を掲げている。　エコファーマでは、既存薬から新規薬効の獲得をめざしている。これまでネイチャーにも論文掲載したが、「Ｐ2Ｘ4受容体」を介した神経障害性疼痛の研究を進めてきた。新薬としてＰ2Ｘ4阻害薬の開発を日本ケミファと共同で進めているところで、ＪＳＴ（独立行政法人科学技術振興機構）から資金提供を受けている。　ところが、新薬開発には莫大な費用と時間がかかる。現在取り組んでいるＰ2Ｘ4阻害薬も同様で、いつ患者さんの手元に届くかはわからない。我われとしては、サイエンスの恩恵を早く患者さんに受けてほしい。もしＰ2... 人にも地球にもやさしい創薬──昨年2月に竣工した「グリーンファルマ研究所」で独自のアカデミア創薬に取り組んでいます。井上　グリーンファルマとは、「エコファーマ」と「グリーンケミストリー」を合わせた九州大学オリジナルの概念で、人と地球にやさしい創薬を掲げている。　エコファーマでは、既存薬から新規薬効の獲得をめざしている。これまでネイチャーにも論文掲載したが、「Ｐ2Ｘ4受容体」を介した神経障害性疼痛の研究を進めてきた。新薬としてＰ2Ｘ4阻害薬の開発を日本ケミファと共同で進めているところで、ＪＳＴ（独立行政法人科学技術振興機構）から資金提供を受けている。　ところが、新薬開発には莫大な費用と時間がかかる。現在取り組んでいるＰ2Ｘ4阻害薬も同様で、いつ患者さんの手元に届くかはわからない。我われとしては、サイエンスの恩恵を早く患者さんに受けてほしい。もしＰ2Ｘ4

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