「在宅医療」の進展で変貌する医薬品市場

推計患者数と疾患を分析する

2016年4月1日号

　現在、日本は高齢者が全人口の21％を超える「超高齢社会」へと突入している。厚生労働省によると、高齢者人口は15年現在で、約3300万人、人口の26.0％にまで達し、高齢化率及びその上昇スピードは世界第1位と、世界がいまだかつて経験したことのない状況にある。政府はこの流れに対応するため、病床機能改革や在院日数削減、在宅医療の普及など、ドラスティックな医療制度改革を進めている。　それは医薬品市場にも大きく影響していく。実際に製薬企業は地域包括ケアに対応するための組織見直しに舵を切った。地域包括ケアで中心となる在宅医療における今後の医薬品市場の動向と製薬企業に求められる戦略とは何か、2回にわたって展望する。まずは、在宅医療の現状を分析することから始めたい。　前述したように、日本は世界トップクラスの超高齢社会へ突入している。この人口構造の変化に伴う社会保... 　現在、日本は高齢者が全人口の21％を超える「超高齢社会」へと突入している。厚生労働省によると、高齢者人口は15年現在で、約3300万人、人口の26.0％にまで達し、高齢化率及びその上昇スピードは世界第1位と、世界がいまだかつて経験したことのない状況にある。政府はこの流れに対応するため、病床機能改革や在院日数削減、在宅医療の普及など、ドラスティックな医療制度改革を進めている。　それは医薬品市場にも大きく影響していく。実際に製薬企業は地域包括ケアに対応するための組織見直しに舵を切った。地域包括ケアで中心となる在宅医療における今後の医薬品市場の動向と製薬企業に求められる戦略とは何か、2回にわたって展望する。まずは、在宅医療の現状を分析することから始めたい。　前述したように、日本は世界トップクラスの超高齢社会へ突入している。この人口構造の変化に伴う社会保障

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