医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

フランスは「曖昧さ」で価格調整

第9回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2016年4月1日号

 今号が出るのと時を同じくして、いよいよ「費用対効果評価の試行的導入」となる。  3月1日号から、ターゲットとなる可能性の高い薬剤、ギリアド・サイエンシズのC型肝炎治療薬「ソバルディ」、小野薬品の抗がん剤「オプジーボ」、中外製薬の乳がん治療薬「カドサイラ」について、海外のHTA(医療技術評価)機関の評価結果を紹介している。  今回は、ソバルディに関してフランスのHTA機関であるHASの評価結果を紹介したい。  フランスは、価格設定のプロセスのなかに経済評価を組み込んでいる。そして、フランスの公的保険における給付価格は、追加的な医療上の利益(Amelioration du Service Médical Rendu、ASMR)、すなわち追加的有用性の大きさで判断される。  追加的有用性とは、今までの医薬品に比べてどの程度臨床的(有...  今号が出るのと時を同じくして、いよいよ「費用対効果評価の試行的導入」となる。  3月1日号から、ターゲットとなる可能性の高い薬剤、ギリアド・サイエンシズのC型肝炎治療薬「ソバルディ」、小野薬品の抗がん剤「オプジーボ」、中外製薬の乳がん治療薬「カドサイラ」について、海外のHTA(医療技術評価)機関の評価結果を紹介している。  今回は、ソバルディに関してフランスのHTA機関であるHASの評価結果を紹介したい。  フランスは、価格設定のプロセスのなかに経済評価を組み込んでいる。そして、フランスの公的保険における給付価格は、追加的な医療上の利益(Amelioration du Service Médical Rendu、ASMR)、すなわち追加的有用性の大きさで判断される。  追加的有用性とは、今までの医薬品に比べてどの程度臨床的(有効

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